水切り金具とは

屋根に落ちてきた雨水をスムーズに流すために設置する金属板を水切り金具といいます。

雨仕舞（あまじまい）といって、建物の中に雨水が入り込まないようにする、雨水が残らないようにする、雨水をきちんと排水するための仕組みがあるのですが、屋根の雨仕舞の役割を果たしているのが水切り金具になります。

代表的な水切り金具

棟板金（むねばんきん）

金属系の屋根やスレート屋根の棟部分に設置する水切り金具です。屋根の面と面のつなぎ目が山型になっている部分を屋根の「棟（むね）」といいます。
屋根の面と面のつなぎ目にあたる棟に棟板金をかぶせることで、雨水が入り込まないようにしています。

「棟板金の釘浮き」という屋根の不具合の中で代表的なフレーズを聞いたことがありませんか？
寒暖差や風の影響により、棟板金を固定している釘が浮いてくることがあります。釘が浮いてくると棟板金や棟瓦がしっかりと固定されていない状態となり、強風や台風が来ると棟板金が変形・破損することがあります。変形・破損している箇所から雨水が侵入し雨漏りを引き起こす原因にもなります。

新しい棟板金に交換する場合の費用　5000円／ｍ　～

谷板金（たにばんきん）

谷板金は屋根の面と面をつなぐ、谷になっている部分に設置されており、「谷樋（たにどい）」とも呼ばれています。
屋根の面に降ってきた雨水は谷板金へと流れ、谷板金から横樋や竪樋へと流れて下水・地上へと排出される仕組みになっています。
屋根に落ちた雨水の流れる通り道になっているので、雨漏りを引き起こしやすい部分になります。

こちらは棟板金とは違い、瓦屋根の場合にも谷板金は設置されていることがあります。
屋根の形状によっては、屋根の面と面をつなぐ、谷になっている部分が全くないので、谷板金が設置されていません。

経年劣化により錆がひどくなると谷板金に穴が開く、谷板金に歪み・ズレが発生し、錆や雨漏りを引き起こす雨漏りすることがあります。
また、屋根の谷の部分のため雨水と一緒に落ち葉やゴミなどが溜まり、谷板金が詰まることがあります。すると、雨水が上手く流れず谷板金から溢れ出し、雨漏りを引き起こす原因にもなります。

一昔前までは銅の金属板が多く使用されてきました。銅製の谷板は経年劣化などにより腐食すると穴が開いているケースが多く見受けられます。銅でできている谷板金が設置されている場合、雨漏りなどのトラブルが発生する前に、現在主流となっているガルバリウム鋼板やステンレス製の谷板金に交換されることをおススメします！

軒先水切り

強風雨で屋根材の下へと流れた雨水を雨樋へスムーズに流すために、軒先（屋根の、外壁よりも突き出している先端の部分）に設置されています。

取り合い水切り

玄関や一部が二階建てになっている場合、屋根と外壁の取り合い部分に設置されています。
壁を伝って落ちてきた雨水が結合部分から入り込まないように、取り合い板金で排水します。

屋根の外壁の取り合い部分から雨漏りが発生している場合には、取り合い水切りが設置されていない、または取り合い水切りが劣化により歪んでいることなどが考えられます。
取り合い部分から雨漏りしてしまうと、外壁も剥がすことになってしまったりと大掛かりな工事が必要になるケースもあります。

まとめ

雨仕舞は建物を雨漏りから守ってくれている重要な役割を果たしています。そのため、雨仕舞のために設置される水切り金具に不具合が見られると、雨漏りを引き起こす原因にもなります。

雨漏りなどの目に見えるトラブルが発生していなければ、水切り金具の不具合に気づくことが難しいかと思います。
屋根の点検をする際には、屋根材の劣化や傷みだけではなく、水切り金具もしっかりと点検することが重要になります。